ジャーナリストの故筑紫哲也さんは、晩年の著書に「国家の基本は教育である」と書きました。私もその通りだと思っています。教育がしっかりしなければ国家は衰弱すると思うのです。私も教育産業にずっと携わってきて、今の北海道の教育状況は本当に心配です。

九九のできない高校生がたくさんいるのを皆さんはご存知でしょうか。北海道は全国学力テストでワースト3の常連となっています。また、体力調査でも47都道府県の46位です。これからの北海道を担う子供たちをもっと大切に育てなければならないと私は思っています。

私は専門学校グループの吉田学園でずっと働いております。心配なのはここ数年の求人状況です。一生懸命勉強しても働くところのない地域は夢がもてません。働けなければ生活できない、家族をもてない、税金も払えないのです。一生懸命勉強して会社のために地域のために国のために働くことが大切なのです。今の政府のように色々な手当てをばら撒いても働くところがなければ仕方ないことだと私は思っています。

私の祖母は今、高齢者施設に入所しています。この施設を探すのも本当に大変でした。とにかく足りないのです。これから北海道はますます高齢者が増加していくということは誰もがわかっていることです。そのことにはしっかりとしたビジョンをもって取り組まなければなりません。本人はもちろん家族も安心して暮らしていける医療と福祉制度がなければ北海道は非常に住みにくい地域となります。